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原爆資料館 入場81%減 20年度 61年ぶり30万人台

 原爆資料館(広島市中区)は7日、2020年度の入館者数が32万8590人だったと発表した。入館者数が30万人台にとどまるのは、開館5年目の1959年度以来61年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休館などが影響し、過去最多だった2019年度比で81・3%(143万156人)減った。

 資料館は昨年2月29日~5月31日と12月14日~今年2月7日の2回、新型コロナの感染拡大防止を理由に臨時休館した。開館後も今月1日に解除するまで、常設展示で30分当たりの入場者数に上限を設けていた。

 このため20年度の入館者数は、月別で最多だった11月でも8万5199人と、前年同月比で4割にとどまった。外国人は1万2192人。19年度の52万2781人と比べて97・7%減と激減し、70年度に統計を取り始めて以降で最少だった。全入館者に占める割合は3・7%で、19年度の29・7%から大きく減った。

 市役所で記者会見した滝川卓男館長は「大幅な落ち込みは残念だが、被爆者の平均年齢が上がる中、オンラインなどで国内外に被爆の実態を伝えていきたい」と話した。

 資料館と同様に臨時休館をした国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)も7日、20年度の入館者数を6万9413人と発表した。19年度と比べて81・7%減で、02年度の開館以降で最も少なかった。久保雅之館長は「核兵器禁止条約の発効など大きなうねりがある中、ホームページなどを通じて被爆者の言葉、思いを世界に広めていく」と話した。(小林可奈)

(2021年4月8日朝刊掲載)

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