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艦載機5日から 硫黄島でFCLP 岩国基地周辺 騒音激化も

 中国四国防衛局は4日、岩国市の米軍岩国基地の空母艦載機が5~15日、硫黄島(東京都)で陸上空母離着陸訓練(FCLP)をすると市と山口県に伝えた。天候不良などで硫黄島で訓練できない場合の予備施設に岩国など国内4基地が指定された。昨年は硫黄島付近の洋上で連続して実施した着艦資格取得訓練(CQ)については、日程を示していない。

 滑走路を空母の甲板に見立て離着陸を繰り返すFCLPは激しい騒音を伴う。FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など全4機種が参加を予定。予備施設には三沢(青森県)、横田(東京都)、厚木(神奈川県)も指定した。指定期間と訓練時間は示されていない。

 FCLPは例年5月ごろ硫黄島で実施している。2018年3月の艦載機の岩国基地移転以降、基地周辺では訓練前後の騒音が大幅に増加。一方、昨年は新型コロナウイルスの影響でFCLPとCQの期間中、艦載機が岩国に原則帰還しなかったため、顕著な騒音の増加はなかった。

 岩国市と山口県は4日、防衛局に今後は岩国を予備施設に指定せず、CQを岩国に帰還することなく硫黄島付近の洋上で実施することを米側に要請するよう申し入れた。柳井市と周防大島町、和木町を加えた基地関係の連絡協議会も岩国基地に同様の要請をした。

 広島県と広島市、廿日市市も4日、同基地でFCLPを実施しないよう求める要請書を、それぞれ同基地や防衛省などに送った。市民生活への影響などを理由に「容認できない」とし、今後もFCLPの予備施設に指定しないことなども求めた。(永山啓一、明知隼二)

(2021年5月5日朝刊掲載)

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