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「ICAN」 庭に咲いた 俳優のサヘルさん 廿日市の田頭さんが品種開発

 俳優のサヘル・ローズさんが核兵器廃絶を願って名付けられたバラ「アイキャン(ICAN)」を栽培している。今月、開花時期を迎えた。この品種を開発したバラ育種家で被爆者の田頭数蔵さん(92)=廿日市市=に、いつか会いに行きたいという。

 サヘルさんは東京都内の自宅近くに庭を持ち、母フローラさんと一緒にさまざまな品種を育てている。昨年、共通の知人を持つ核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲(あきら)国際運営委員を通じて、一鉢を譲り受けた。

 イラン出身のサヘルさんは、イラン・イラク戦争で家族を失い孤児院で育った。フローラさんの養子になり8歳で来日。「砂漠のバラ」を意味する自身の名前はフローラさんが付けてくれたという。

 「平和を願い、手に武器ではなく未来を握らせることが強さだと信じたい。そんな田頭さんの思いと、いとしいバラをこれからも大切に育てていきます」とサヘルさん。「ヒロシマ」にちなむバラを多数作出してきた田頭さんは「たくさんの品種をお見せしたい」と訪問実現を心待ちにしている。(金崎由美)

(2021年5月24日朝刊掲載)

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