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沖縄被害に思い寄せ 「慰霊の日」広島学院高生が集い

 沖縄の「慰霊の日」の23日、太平洋戦争中に撃沈された沖縄の学童疎開船「対馬丸」の犠牲者や沖縄戦の戦没者を追悼する集いが、広島市南区の比治山陸軍墓地であった。沖縄戦について学ぶ広島学院高(西区)の生徒たちが営んだ。

 集いは、対馬丸の学童を悼む銘板が併設された陸軍船舶砲兵部隊の慰霊碑前であり、遺族や生徒たち約30人が参列した。黙とうと詩の朗読に続き、順に花を手向けた。岡本貞雄・元広島経済大教授(69)による沖縄戦の解説もあった。

 沖縄戦で父石田儀郎さんを亡くした渡辺敞子(あきこ)さん(79)=呉市=は「広島では沖縄の被害に思いを寄せる機会が少ない。若い人たちの取り組みはありがたい」と感謝した。

 生徒たちは12月に沖縄戦跡を訪ねる予定。2年の粟田泰弘さん(16)=廿日市市=は「戦争では自分たちと同じ年頃の人もたくさん亡くなった。その事実を忘れないようにしたい」と誓った。(明知隼二)

(2021年6月24日朝刊掲載)

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