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日常への影響不透明/原子力指定は避けて 秘密保護法案衆院通過 中国地方市民の声

 特定秘密保護法案は26日、与党の採決強行で衆院を通過した。「急ぎすぎだ」「知る権利は守られるのか」。多くの問題点を残しながら法案成立を推し進める動きに、中国地方の街頭では疑問や不安の声が上がった。

 法案の審議入りは今月7日。広島市西区の主婦平野陽子さん(44)は「反対意見も多いのに、安倍晋三首相が急いで成立させたがっている印象を受ける」といぶかる。

 福山市の会社員島谷二郎さん(43)も「国民を巻き込んでもっと話し合うべきだ」と指摘。知る権利を制約する側面があるだけに、光市の会社員山本統さん(31)は「日常生活にどう影響するのか不透明だ。分かりやすい議論を続けて」と慎重さを求めた。

 「何が特定秘密か、いまだに分かりにくい」と話すのは広島県海田町の主婦松本由美子さん(37)。広島市東区の土橋勝次郎さん(81)は「戦時中、国は都合の悪い情報を隠した。秘密指定の対象となる防衛や外交にこそ透明性が何より必要だ」と廃案を求めた。

 島根原発がある松江市の会社員井川幸広さん(43)は「原発に関する情報を隠蔽(いんぺい)されるのではないか。原子力分野の指定は、極力避ける仕組みを」と注文した。

 国益のため法案には賛成としながらも、呉市の主婦林明美さん(73)は「指定期間が最長60年というのは長い。秘密の指定範囲も含め、政府と距離を置く専門家の判断を仰ぐチェック機関を設けるべきだ」と訴えた。

(2013年11月27日朝刊掲載)

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