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3市、島根県に申請容認伝達 島根原発30キロ圏の出雲・雲南・安来

 中国電力が島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)の再稼働に向け原子力規制委員会に申請する安全審査について、原発30キロ圏の出雲、雲南、安来市は20日、申請を容認する見解を集約先の島根県に伝えた。(樋口浩二)

稼働の発言権を求める

 3市には稼働に対する発言権がない。このため出雲、雲南市は「事故の危険は立地自治体と同じ」との主張に基づき、再稼働の議論が始まる前に県、松江市と同等の安全協定を結ぶよう中電にあらためて要求した。安来市も回答の前文で発言権を求める姿勢を示した。

 中電から事前了解を求められた県が「意見を聞く」との覚書に基づき13日、3市と鳥取県、米子、境港市に意見照会していた。3市とも安全審査の了承と再稼働判断は別だと主張。出雲、雲南市は、事故の際の住民避難について中電の支援や責任の明確化も求めた。

 3市の部長級職員が島根県庁で大国羊一防災部長に文書を手渡した。終了後、出雲市の森山靖夫防災安全管理監は「リスクだけ背負い稼働にものが言えないのが現状。安全性チェックのため申請は認めるが、発言権は獲得できるまで求める」と強調した。

 3市の見解は24日、既に受理されている鳥取県と米子、境港市の見解とともに島根県が中電へ伝える。

(2013年12月21日朝刊掲載)

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