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原子力防災訓練の避難広報 松江「聞こえにくい」6割 住民調査 

 島根県は25日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備えて11月5、10日に実施した原子力防災訓練について、参加住民のアンケート結果を公表した。避難した松江市民のうち6割が、避難を呼び掛ける広報の聞こえにくさを指摘し、昨年度に続き広報面に課題を残した。(明知隼二)

 「避難広報が聞こえたか」との質問に、避難した松江市民307人のうち277人(90・2%)が回答した。「聞こえなかった」42人(15・2%)▽「あまり聞こえなかった」44人(15・9%)▽「多少聞こえにくかった」80人(28・9%)―で、6割の人が聞こえにくさを感じていた。

 訓練に参加した原発30キロ圏の出雲、安来、雲南市民を含む計507人の結果でも4割が聞こえにくさを指摘。ことし1月の訓練でも参加住民の半数が同様の回答で、初期の情報伝達の難しさが露呈した。

 訓練では、広報車や防災行政無線の屋外スピーカー、屋内の情報端末などで避難を呼び掛けた。県原子力安全対策課は「伝達手段のハード整備に加え、住民同士の声掛けも有効。日頃から取り組んでほしい」としている。

 アンケートは、県の委託を受けた原子力安全技術センター(東京都)が実施。避難広報や訓練内容の理解度など17項目を聞いた。県が25日、松江市で開いた訓練担当者会議で結果を公表した。

(2013年12月26日朝刊掲載)

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