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山口県知事選に村岡氏立候補表明 公約に「五つの突破力」

 山本繁太郎前知事の辞職に伴う山口県知事選(2月6日告示、23日投開票)への立候補を表明した元総務省官僚の村岡嗣政氏(41)は、山本県政の成長戦略などを引き継ぐ立場を鮮明にした。上関原発建設予定地(上関町)の公有水面埋め立て免許延長の可否も、判断を先送りした山本氏の姿勢を踏襲するとした。(村田拓也)

 県が昨年7月、山本氏が知事選で掲げた公約を基にまとめた成長戦略「やまぐち産業戦略推進計画」に対し、村岡氏は「産業を強くして経済の活力を高める戦略は重要だ」と主張。地元企業の幹部らを委員に迎え昨年4月に発足した県組織、産業戦略本部の枠組みも引き継ぐとした。

 上関原発の埋め立て免許延長の可否判断は「県が中国電力に補足説明を求めており、回答を待って判断する」と述べ、昨年3月時点で判断を1年程度先送りするとした山本氏と歩調を合わせた。回答前の失効は「考えていない」として、失効させる方針を示した二井関成元知事とは一線を画した。上関原発建設計画の是非は「エネルギー政策は国策で、国の責任で位置付けを明確にしてほしい」とかわした。

 岩国市の米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転問題でも「岩国市の意向を尊重し、これ以上の基地機能強化は認められないとの基本姿勢で臨みたい」と説明。山本県政の方針を基本的に引き継ぐ姿勢を示した。

 公約に掲げる「五つの突破力」には、山本氏の公約「五つの全力」に似た観光力の強化や雇用の確保などの政策を並べた。数値目標や達成時期はほとんど盛り込まず、「1年かけて県の実情を把握し、中期ビジョンをまとめて具体的な姿を示したい」と語った。

 同知事選には、共産党県委員会が政治団体と共に候補者を擁立する方針。2012年7月の前回知事選で落選した候補らも立候補を模索している。

(2014年1月21日朝刊掲載)

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