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被爆地から抗議「謙虚に受け止める」 核発言の岸田外相

 岸田文雄外相(広島1区)は24日の記者会見で、核兵器の限定使用を容認するともとれる自らの発言に被爆地から抗議の声が上がっているのに対し、「いろいろな意見があることは謙虚に受け止める」と述べた。

 岸田氏は、発言があった20日の長崎市での講演について「わが国の核軍縮・不拡散分野の政策、現状を幅広く申し上げた。唯一の被爆国として議論をリードするため、しっかりと政策を示すことは大変重要だ」との認識を示した。

 その上で「さまざまな意見は今後の議論に供させていただきたい」と述べ、意見や批判を今後の核軍縮・不拡散をめぐる議論の参考にするとした。

 岸田氏は講演で日本の新たな核軍縮・不拡散構想を紹介。核兵器の役割を低減させる具体策の一つとして「(核保有国は使用を)個別的・集団的自衛権に基づく極限の状況に限定するよう宣言すべきだ」と発言した。

 会見では、日本を含む核兵器を持たない12カ国が4月に広島市で開く軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)外相会合にも言及。新たな構想について「議論の基礎にする意味でも重要だ」と述べ、会合でまとめる提言の軸にしたい考えをにじませた。(藤村潤平)

(2014年1月25日朝刊掲載)

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