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山口知事に村岡氏 41歳 若さ全国2番目

 前知事の辞職に伴う山口県知事選は23日、投開票された。無所属で元総務省官僚の村岡嗣政氏(41)=自民、公明推薦=が新人3人の争いを大差で制し、初当選した。41歳の知事は、現職最年少の鈴木英敬三重県知事(39)に続き、全国で2番目の若さ。投票率は38・82%で、2012年7月の前回選を6・50ポイント下回り、過去3番目の低さとなった。

 県選管は25日の選挙会で開票結果を確定し、当選証書を交付する。村岡氏は同日、県庁に初登庁し、知事職務代理の藤部秀則副知事から事務を引き継ぐ予定。その後は14年度当初予算案の編成作業や3月の県議会定例会への対応など、公務が本格化する。任期は投開票日の23日から4年。

 同知事選は、山本繁太郎前知事(65)が1月中旬に病気辞職したのを受けて行われた。村岡氏と、無所属新人で元衆院議員の高邑勉氏(39)=生活推薦、共産党新人で元周南市議の藤井直子氏(61)が立候補した。

 選挙戦で村岡氏は、山本前知事が進めた産業の再生強化を「引き継ぐ」と明言するなど、後継者の立場を強調。総務省自治財政局財政課財政企画官や広島市財政課長、高知県財政課長などの行政経験も踏まえ、即戦力をアピールした。推薦した自民、公明両党や連合山口が組織戦を展開。県内全域で支持を広げ、序盤から優位に選挙戦を進めた。

 高邑氏は、中国電力上関原発(同県上関町)建設計画の白紙化を主張。脱原発を求める有権者への浸透を図ったが、伸びを欠いた。14年ぶりの党公認候補の藤井氏は、安倍政権や前知事を批判し「自共対決」を強調。県政の転換を訴えたが支持が広がらなかった。

 投票率は、突然の選挙戦で告知期間が短く、真冬の戦いとなったことで伸びなかった。当日有権者数は117万7091人だった。(村田拓也)

山口知事選最終結果 敬称略

当286,996 村岡嗣政 無新
 115,763 高邑勉  無新
  46,402 藤井直子 共新

村岡嗣政(むらおか・つぐまさ)氏
 96年に自治省入省。広島市財政局財政課長などを経て12年から総務省自治財政局財政課財政企画官。14年1月に総務省を辞職。宇部市出身。東京大経済学部卒。

前知事の思い継ぎ産業再生

村岡新知事の話
 前知事が果たせなかった思いを引き継ぎ、産業再生に力を入れる。総務省や地方自治体での経験を生かし、人口減少や医療・介護の確保などの課題に、腰を据えて取り組む。子育て世代として、子どもを安心して産み育てられる環境も整える。

(2014年2月24日朝刊掲載)

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