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山口知事に村岡氏当選 試される行政手腕 予算編成や上関原発問題

 前知事の病気辞職に伴う山口県知事選で23日に初当選した無所属新人の村岡嗣政氏(41)は早速、25日から知事の職務をスタートさせる。28日に2014年度当初予算案を発表し、3月4日には県議会定例会が開会する見通し。三重県知事に次いで全国2番目に若いフレッシュ知事だが、総務省や広島市、高知県などで磨いた行政手腕が試される。

 まず判断を迫られるのが予算案の編成だ。山本繁太郎前知事(65)が病気辞職した1月中旬は例年なら事務作業がほぼ終わり、知事査定が始まる直前の時期。しかし、ことしは知事不在のため、1月中旬以降の予算編成作業は、13年度からの継続事業や必要経費だけを積み上げる「骨格予算」ペースだったという。

 県や県議会の関係者によると、予算案は新知事の当選後、28日に発表する方向で調整される。25日の初登庁からわずか3日後で、実質的に骨格予算。「新知事の独自色は6月に編成する補正予算案で打ち出せばいい」とみる関係者が多い。

 中国電力の上関原発建設予定地(同県上関町)の公有水面埋め立て免許延長問題も注目される。村岡氏は「県は中電に補足説明を求めており、回答を待って判断する」とし、昨年3月に可否判断を1年程度先送りした山本氏の姿勢を踏襲。県が中電に求めた回答期限の4月が迫っている。

 選挙戦で推薦した自民、公明党との距離感も問われる。県議会では両党議員が約8割の議席を持ち、要望や注文を強める可能性がある。実質的に知事選候補を決めた安倍晋三首相(山口4区)との対応も焦点。県民目線に立ち是々非々で対応できるか問われる。

 村岡氏は選挙戦で、地域の活力向上や人材育成など「五つの突破力」を公約にした。数値目標や達成時期は盛り込まず「1年かけて県の実情を把握し中期ビジョンで具体的な姿を示す」と主張。自身が目指す県の将来像と実現の手順を、県民に分かりやすく示すのも急務だ。(村田拓也)

(2014年2月24日朝刊掲載)

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