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カザフのセメイ市、平和首長会議の地域リーダー都市に 市長が表明

 旧ソ連時代に核実験が繰り返されたカザフスタン・セメイ市(旧セミパラチンスク)のアイベック・カリモフ市長が28日、広島市役所で、松井一実市長と懇談した。平和首長会議(会長・松井市長)が来年4月に世界をエリア分けして地域ごとに設ける「リーダー都市」への就任を表明。「核兵器廃絶への動きを国内外で広める」と意欲を語った。

 セメイ市は近郊に旧ソ連最大の核実験場があり、1949年から40年間、計450回以上の実験がされた。会議事務局の広島平和文化センター(中区)が昨年10月、周辺地域の活動を引っ張るリーダー都市への就任を要請していた。

 この日、カリモフ市長は「核の恐ろしさは身をもって知っている。地域の代表都市として、全世界にそれを広めたい」と承諾。松井市長に、核実験場の閉鎖を記念して8月29日にセメイ市で開く式典への出席を求めた。松井市長は就任に感謝し、出席を検討する考えを示した。

 また同席したアキルベク・カマルディノフ駐日大使は、文化や経済交流の拠点として広島市に名誉領事館の設置を目指す考えを示した。時期や場所は未定。今後、協力者を探すという。(田中美千子)

(2014年3月29日朝刊掲載)

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