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「9条は財産」益川氏が強調 広島で講演会

 「科学者が語りあう戦争と平和憲法」と題した講演会が29日、広島市中区の原爆資料館東館であり、2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都大名誉教授(74)が愛知教育大の松田正久学長(66)と対談した。益川氏は「憲法9条は守るべき財産。若者を巻き込み、改憲反対の声を上げないといけない」と強調した。

 益川氏は大戦末期、名古屋市の自宅に米軍の焼夷(しょうい)弾が落とされた体験に触れ「戦争は国民を極限状態に追い込む。実体験がない安倍晋三首相は怖さを分かっていない」と指摘。「政府は交戦権を手に入れようと改憲を推し進めている。私たちも本腰を入れ、対応すべきだ」と訴えた。

 益川氏は「特定秘密保護法に反対する学者の会」にも名を連ねる。同法については「国に都合よく使われる危険性がある」と強い懸念を表明。松田氏も「権力者の狙いは一般の人びとに恐怖心を与え、黙らせることにある。無関心でいてはいけない」と述べた。

 市民団体「第九条の会ヒロシマ」(広島市南区)の主催。約300人が訪れた。

(2014年3月30日朝刊掲載)

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