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社説・コラム

広島初訪問のG・レビンジャーさん(81) 折り鶴に反核の光明

■記者 桑島美帆

 「各地から広島へ届けられた無数の折り鶴に勇気づけられた」と力を込めるのはジョージ・レビンジャーさん(81)=米マサチューセッツ州。1946年秋から半年間、東京の連合国軍総司令部(GHQ)に所属。昨年、回顧録を執筆したのを機に62年ぶりに来日し、初めて広島を訪れた。

 日本兵を殺す訓練中に原爆投下を知り「ほっとした」覚えがある。50年代からは大学で教える傍ら反戦・反核運動に参加。米国の核兵器開発に異議を唱え、イラク派兵反対のデモにも加わった。「だがアメリカを変えることはできなかった」。今回、4時間かけて歩いた平和記念公園で、半世紀分の「徒労感」をぬぐい去った。

 「軍部は肥大化し、核兵器でもうける人がたくさんいるアメリカは愚かだ」。自らも一票を投じたオバマ氏に、母国の「変革」を期待している。

(2008年11月25日朝刊掲載)

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