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被爆体験継承 証言者育成を 原爆資料館で研究発表会

■記者 新山創

 原爆資料館(広島市中区)の展示に助言する資料調査研究会の発表会が12日、資料館東館であった。メンバーの大学教授たち4人が被爆体験の継承や核をめぐる動向の研究を報告した。

 広島大の葉佐井博巳名誉教授は、被爆者が高齢化する中で、被爆体験を語り継ぐ後継者が育っていない点を指摘。「証言者を募集し語り方を訓練する必要がある」と話した。

 核兵器廃絶の最近の論調を示した広島市立大平和研究所の水本和実准教授は「オバマ米大統領の登場で希望を抱く人は多いが、米国の核体制の見直しを冷静に見る必要がある」と強調した。

 広島国際大の石丸紀興教授は、第2次世界大戦の欧州の戦災地図を解説。九州大大学院の直野章子准教授は、原爆の絵を描いた被爆者への聞き取り調査について報告した。発表会には市民たち約40人が参加した。

(2009年12月13日朝刊掲載)

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