×

ニュース

民喜「夏の花」 中高生が朗読 ふくやま文学館で来年2月

■記者 伊藤敬子

 若い世代が郷土の文学作品とじっくり向き合う場をつくろうと、ふくやま文学館(福山市丸之内)は来年2月、中高生による文学作品の朗読会を初めて開く。広島市出身の小説家原民喜(1905~51年)が自らの被爆体験を基に記した「夏の花」を題材とし、1月22日に始まる「原民喜展」の関連行事に位置づける。

 20日、顔合わせを兼ねた読書会を開いた。福山、府中両市から中学生2人、高校生7人が参加した。企画展を共催する広島市の民喜研究グループ「広島花幻忌の会」のメンバーが、民喜の生い立ちや作品が生まれた背景、希望と絶望を抱えた生きざまについて解説。作品を読んだ感想をそれぞれ語り合った。

 城南中2年の大塚友香さん(14)は「日常の風景を一転させた原爆投下の悲惨さを淡々とつづった重厚で透明感ある作品。民喜の思いを受け止め、多くの人に届けたい」と話す。

 指導する福山市赤坂町の朗読家藤井康治さん(55)は「声に出すことで一字一字の意味を考え、作品に深く触れることができる」と参加を呼び掛ける。

 朗読会は2月14日午後1時半から文学館で開く。1月17、31日にも練習がある。ふくやま文学館Tel084(932)7010。

(2009年12月22日朝刊掲載)

関連記事
原民喜生誕を朗読でしのぶ 中区 (09年11月17日)
原民喜文学碑 境内に建立へ 広島東照宮(09年8月 5日)

年別アーカイブ