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イラン核開発 平和利用強調 ジャリリ氏講演

■記者 吉原圭介

 イランの核交渉責任者、サイード・ジャリリ最高安全保障委員会事務局長は22日、東京都内で講演し、北朝鮮との核の技術協力について「偽りの情報が流された」と全面否定した。

 ジャリリ氏は、核拡散防止条約(NPT)に署名し国際原子力機関(IAEA)の枠組み内で核の平和利用を目指していると強調。「イランは核兵器は合法的ではないと考える。核軍縮を求め、核拡散に反対している」と訴えた。さらに平和利用推進の理由として国内の電力不足を挙げ、千メガワット級の原子力発電所が今後20基必要だと述べた。

 ジャリリ氏は、低濃縮ウランを国外に輸送するIAEAなどの提案を拒否する意向を示している。講演でも「NPTの義務を履行している非核兵器保有国の平和利用の権利を奪うことはNPT体制の弱体化につながる。大国の権利独占を許してはいけない」と述べた。

(2009年12月23日朝刊掲載)

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