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改修進む旧日銀広島支店 文化の拠点 4月再開

■記者 桑田勇樹

 広島市は14日、被爆建物の旧日本銀行広島支店(中区)の改修工事を3月末までに終え、芸術・文化活動の場としての貸し出しを4月1日から再開すると発表した。2月1日から申し込みの受け付けを始める。

 市は2008年12月に同支店の一般利用を中止し、2009年3月に改修を始めた。北側の通路部分に壁を設けるなど耐震性を向上▽老朽化で使えなかったエレベーター1基を更新し、冷暖房設備を新設▽東側入り口にスロープを設け、西側玄関の仮設スロープを撤去―などの工事を進めている。総事業費は2億7500万円。

 同支店は1936年8月に完成し、地上3階、地下1階の延べ約3200平方メートル。渦巻き状の柱頭をのせた柱などの古典様式が特徴。原爆投下により、爆心地から380メートル南東にある同支店は内部が大破。戦後修復され、92年まで支店として使用された。

 市は2000年7月の市重要文化財指定後に日銀から無償貸与を受け、2001年3月から一般貸し出しを始めた。市は今回の改修後も2階の支店長室の壁についたガラス片の傷など被爆の痕跡を保存。一方、開業当時の支店内の様子を再現する展示方法などを検討し、国の重文指定を目指す。

 市文化振興課は「市民に活用してもらってこそ建物が生きる。芸術作品の展示やコンサートに利用してほしい」。Tel082(504)2500。

(2010年1月15日朝刊掲載)

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