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連載・特集

「トホホ福島日記」 ⑫ 服も汚染 触れ合い悩む

 福島市では現在、高校3年生を対象に、「ホールボディーカウンター」という全身を測定して内部被曝(ひばく)量を確かめる検査をしている。検査の注意書きでは、泥や砂などに付着しているセシウムが検査値に影響を与えるため、泥や砂が付いていない衣類に着替えるよう求めている。

 行政が衣類にセシウムが付いていると明言しているわけである。

 それでも、福島市で「僕は衣類に付いたセシウムが気になる」と発言したら、たぶん「神経質だ」とあきれられるだろう。「そんなことを言うから風評被害が起きるんだ」とお叱りを受けるのが目に見える。知人は「この程度の汚染を我慢しないのは非県民だ」と言われたという。

 わが子にどう接するかでも悩む。抱きついてきたわが子を、そんな理由で引き離すべきかどうか。セシウムから守っても、心を傷つけるかもしれない。

 正解はまだ出ない。福島市は、人が住んでいる地域で、最も高い放射線量が発表され続けている市町村の一つである。(漫画と文・福島市の高校美術教師 赤城修司さん)

(2012年12月18日朝刊掲載)

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