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イラン核めぐり応酬 NPT準備委

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会は30日、北朝鮮の核問題や中東の非核化など地域課題を集中的に話し合った。日本など各国の代表団は、2月に核実験を強行した北朝鮮を非難し、自制を求めた。(ジュネーブ発 田中美千子)

 ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使は、イランの核開発にも懸念を示し「外交による平和的な解決を求める」と訴えた。これに対し、イランの代表団は「日本は(原発の)余剰プルトニウムや高濃縮ウランを大量に保有する。核武装の考えがあるのではないか」と指摘。天野大使は「平和利用以外に使う考えはない」と述べた。

 中東非核化の議論も紛糾した。2010年のNPT再検討会議では、非核化に向けた国際会議の12年開催に合意したが、いまだ実現していない。引き続き開催努力を求める声が相次いだ一方、イスラエルの意向を背景に会議が延期されたとみるアラブ諸国は不快感を表明。対立の根深さが、あらためて浮き彫りとなった。

(2013年5月1日朝刊掲載)

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