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NPT準備委 広島市誘致に前向き 政府、英の拡大提案受け

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けスイス・ジュネーブで開催中の第2回準備委員会は2日、17年以降の準備委の開催地を話し合った。開催実績があるのは欧米3都市だけ。英国が世界各都市に広げる提案をし、日本は被爆地の広島市を挙げ自国誘致に前向きな考えを示した。 (ジュネーブ発 田中美千子)

 再検討会議の効率化に向けた討議で、英国は「市民や研究者の関心を広げることになる」と、開催地を世界に広げる案を出した。

 これに続き、外務省軍備管理軍縮課の吉田謙介課長は「興味深い提案。広島市が受け入れに関心を持つだろう」と述べた。同市は「迎える平和」を掲げ国際会議の誘致に積極的。15年の再検討会議誘致も目指していた。

 ケニアも誘致に意欲を示し、南アフリカなども「アフリカやアジアの加盟国が参加しやすくなる」と歓迎した。一方で欧州を中心に、代表団の派遣費用がかさむことや通訳の確保の難しさなどを理由に、慎重な議論を促す声も相次いだ。

 再検討会議と準備委は国連の拠点がある米ニューヨーク、ジュネーブ、オーストリア・ウィーンのいずれかで開かれてきた。14年の準備委と翌年の再検討会議はニューヨーク開催が決定済み。20年の再検討会議に向けては17年から準備委が開かれる見通しだ。

(2013年5月3日朝刊掲載)

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