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国連総長と初面会へ 松井市長 核禁止条約訴え 28日NY

 広島市は23日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会に出席するため米ニューヨークを訪れる松井一実市長が、28日に国連の潘基文(バン・キムン)事務総長と面会すると発表した。「核兵器のない世界」の実現へ、核兵器禁止条約の早期の交渉開始、制定の推進を直接訴える。

 松井市長が国連事務総長に会うのは初めて。準備委初日の28日夕(日本時間29日朝)に国連本部で会い、核兵器禁止条約の実現を求める要請書や、平和首長会議で集めた署名を手渡す方向で調整している。長崎市の田上富久市長や、広島平和文化センターが準備委に合わせて派遣する高校生代表の広島女学院高3年今井穂花さん(17)も同席する。

 潘事務総長は、2008年10月に発表した核軍縮に関する5項目の独自提案で、核兵器を明確に違法化する禁止条約について「交渉開始の検討も可能」と指摘した。10年8月には、国連事務総長として初めて広島市の平和記念式典に出席。平和首長会議が目指す20年までの核兵器廃絶に支持を表明している。

 広島平和文化センターは「国連トップとしての影響力を発揮し、一日も早い条約締結を各国に働き掛けてもらえるよう、被爆者の思いを伝える」としている。

 松井市長は26日から5月2日まで7日間の日程で渡米。29日には準備委の非政府組織(NGO)セッションで平和首長会議会長として演説し、各国政府代表に核兵器廃絶が急務であることを訴える。(田中美千子)

(2014年4月24日朝刊掲載)

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