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ユニクロ 柳井氏「広島は原点の地」

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、広島市中区袋町にユニクロ1号店を開いたのは1984年の6月2日。グループで国内外に約2600店(2月末時点)を構え、国内の衣料品業界で初の売上高1兆円を突破した企業の原点は、広島の街中に開いた「倉庫のような店」だった。

 30年前の6月2日午前6時。事前に近くの高校の前などで開店ちらしを配ったこともあり、1号店の前には大行列ができた。ラジオ中継で柳井氏が「人が多すぎるので来ないでください」と呼び掛けたほどだ。柳井氏は「金鉱脈を発見した気分だったが、今ほど成功するとは思っていなかった」と振り返る。

 宇部市で紳士服などを扱っていた小郡商事に入った柳井氏。本格的にカジュアルショップを開きたいと考え、選んだのは近隣の都市である広島市だった。カジュアル衣料品の市場が伸びるとみて、セルフサービスの倉庫のような店を目指した。1号店は91年に閉店したが、この考え方は今の店舗でも続く。

 その後も店舗拡大を続け、1998年には低価格のフリースが大ヒット。中国や米国など海外への店舗展開も始めた。「毎日毎日が失敗ばかり」と回顧するように、知名度が不足していた当初は、店舗の撤退も繰り返した。2006年には低価格ブランドのジーユーを初出店し、業績を伸ばしている。

 1号店開店後に毎週のように広島を訪れていた柳井氏にとって「広島は原点の地」。競合店を見て回るなどし「いろんなことを勉強させてもらった」という。被爆地広島とは縁が深いと強調し、「平和であってこそ世界中に店を出せる。世界に本当に良い服を届けられるよう努力したい」と誓った。(山本和明)

<ファーストリテイリングと柳井正会長兼社長の歩み>

1949年 前身のメンズショップ小郡商事が開業
  72年 柳井氏が入社
  84年 ユニクロ1号店を広島市中区に出店
      柳井氏が社長に就任
  91年 社名をファーストリテイリングに変更
  94年 上場
  98年 低価格のフリースがヒット
2002年 柳井氏が社長を退き、会長に就任
      中国にユニクロ初出店
  05年 柳井氏が会長と兼務で社長に復帰
      米国にユニクロ初出店
  06年 低価格ブランド、ジーユー初出店
  13年 売上高が1兆円を突破。国内の衣料品業界で初

(2014年6月3日朝刊掲載)

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