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岩国移転8月末完了 米給油機 首相、見通し表明

 安倍晋三首相は24日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の運用停止に向けて協議する負担軽減推進会議で、同飛行場に所属するKC130空中給油機15機の米海兵隊岩国基地(岩国市)への移転日程について、7月8日に始まり8月31日までに完了する見通しだと明らかにした。岩国市と山口県にも24日、中国四国防衛局を通じて伝えた。

 安倍首相は「山口県や岩国市などが沖縄の基地負担軽減の必要性を理解し、移転を受け入れたことは大変ありがたい」と述べた。また垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練を沖縄県外に移すため、訓練拠点整備の具体化を進めていくと強調した。

 また同日の日米合同委員会で、日本政府が給油機移転に必要な格納庫や家族住宅などの施設を岩国基地内に整備し、米政府に提供することで正式合意したことも報告した。

 会議に出席した沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事と宜野湾市の佐喜真淳市長は山口県と岩国市への感謝の気持ちをあらためて述べ、政府の取り組みを評価。仲井真知事は会議終了後、「日本全国で沖縄の負担軽減に協力しようという機運が出始めている」と話した。

 岩国市役所と山口県庁には24日、中国四国防衛局の藤井高文局長が訪れ、福田良彦市長と藤部秀則副知事に移転日程を伝えた。福田市長は面会後、「安全な運用を米側に申し入れるよう、あらためて求めた」と述べた。(野田華奈子、城戸収)

KC130空中給油機
 空中や地上でほかの航空機に給油する任務のほか、部隊や物資の輸送に当たる。機内や外付けのタンクからホースを通じて燃料を流す。最大輸送人員は92人。戦場など厳しい環境下でも短距離での発着が可能という。米軍普天間飛行場には現在、15機が配備されており、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ24機に次いで多い。米海兵隊岩国基地にもたびたび飛来している。

(2014年6月25日朝刊掲載)

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