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世代つむぐ反核の視線 ヒロシマ・アピールズのポスター発表

 核兵器廃絶や平和を訴える2014年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターが27日、発表された。東京都世田谷区のアートディレクター井上嗣也(つぐや)さん(67)が制作した「記憶」。2世代の生き物を思わせる目には、反核の思いを伝え続けようとの強い決意がにじむ。

 この日、広島市中区の広島国際会議場で開幕した日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の全国大会で、井上さんが松井一実市長にポスターを手渡した。太陽の光と影を捉えた写真を用い、過去と未来を表現した作品。「戦争や被爆の記憶は世代をまたぐほどに風化するが、次の世代まで伝えてほしいとの思いを込めた」と語った。

 ポスターはB1判。1500部作り、原爆資料館(中区)や市現代美術館(南区)などで1080円で販売する。28、29の両日は、市内のバス停や電停75カ所に掲示する。

 ヒロシマ・アピールズは1983年に始まり、一時中断を経て今年で17回目。同協会とヒロシマ平和創造基金(中区)広島国際文化財団(同)が毎年、アーティストに依頼して制作している。(森田裕美)

(2014年6月28日朝刊掲載)

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