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ステージ 郷土を熱く 吉川、ぶれぬロック魂 デビュー30年 9月広島記念ライブ 

広島県府中町出身 愛・夢・希望…「直球で」

 広島県府中町出身のロックシンガー吉川晃司(48)がデビュー30周年を迎えた。俳優としても活躍する生粋のエンターテイナーが貫き続けたのが「反発」。「はじかれ、ぶつかり、勢いづいてまたぶつかる。退屈しない30年だった」。強烈なインパクトを残してきた足跡を振り返る。(余村泰樹)

 広島の修道高中退後、上京。1984年に映画「すかんぴんウォーク」に主演し、主題歌「モニカ」を歌うなどアイドルとして鮮烈にデビューした。ただ「敷かれたレールでなく、獣道を行きたくなる」と自ら作詞作曲するアーティストの道へ。ソロで「せつなさを殺せない」などのヒット曲を放つ一方、ギタリスト布袋寅泰と「COMPLEX」も結成した。近年はNHK大河ドラマ「八重の桜」で西郷隆盛役など俳優としても存在感を示す。

 ファンを魅了し続けるのが、そのとんがった生き方だ。「子どもの頃の純粋な目で見たとき、世の中にはおかしなことばかり。迎合はできない」とロックスピリッツは衰えない。「愛、夢、希望、思いやり、人情とかいう青臭いものが大切。それを直球で世の中に通したい」と熱く語る。

 大きな転機となったのが東日本大震災。「未来を担う子どもたちに恥ずかしくない生きざまを見せたい」。昨年8月6日にマツダスタジアム(広島市南区)であった「ピースナイター」では、ジョン・レノンの「イマジン」に乗せ「放射能はいらない」と熱唱。「たかが歌い手だけど、歌い手なりにほえて、かみついていきたい」。原発問題などへの発言も重ねる。

 ことし6月25日には、全シングルを収めたアルバム「SINGLES+」を発売。30年間の感謝の気持ちを込めた記念ライブを、広島や東京、大阪、愛知の4カ所で開く。「そこで自分がどう感じるのか。今後何を発信するか考える場でもある」。立ち止まらずに走り続けることを誓った。

 広島市でのライブは9月27、28日、中区の広島文化学園HBGホールで開催。7560円。キャンディープロモーションTel082(249)8334。

(2014年7月12日朝刊掲載)

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