×

連載・特集

基地のまちは今 「工事中止を」根強い反対 岩国市愛宕山米軍施設 住民団体集会やデモ行進

 米軍家族住宅や運動施設などが建設される岩国市の愛宕山地域開発事業跡地では5月中旬から造成工事が始まっている。一方、計画に反対する住民団体の集会も続いており、12日は約500人(主催者発表)が参加し、工事の中止を訴えてデモ行進などをした。(大村隆)

 集会は、岩国基地の拡大や機能強化に反対する市民団体「愛宕山を守る市民連絡協議会」が主催。岡村寛世話人代表(70)は「沖縄の基地負担軽減という反対しづらい理由で、岩国に負担が押しつけられている。一致団結して反対を続けよう」と呼び掛けた。

 「愛宕山が米軍用地になれば、岩国に明るい未来はない」といったアピール文を採択。整備予定地の周辺など約1・7キロを「米軍住宅はいらない」「工事を中止しろ」などと叫びながら行進した。

 連絡協議会などは月に3回、集会を開いている。普段の参加者は40人程度だが、今回は工事が始まったことから、「緊急集会」として事前に市内2万2千世帯にチラシを配布し、参加を呼び掛けた。岡村さんは「初めての人も多く見た。たくさんの市民が基地機能の強化に反対していることが分かり、心強く思った」と話した。

 跡地約75ヘクタールには、2017年ごろとされる米海軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移転に伴い、国が米軍家族住宅270戸程度と、市民も使える野球場や陸上競技場などの整備を計画している。

(2014年7月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ