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因島空襲語り継ごう 28日に慰霊行事 地元有志「事実明らかに」 尾道

 尾道市因島三庄町で28日、69年前の因島空襲の犠牲者を慰霊する行事がある。造船所や民家が被災したとされるが、残された記録は少なく、被害の詳細は分かっていない。体験者が高齢化する中、島の戦争を語り継ごうと地元有志が主催する。

 行事は2002年から空襲被害を調査している著述業青木忠さん(69)=因島椋浦町=が計画。当日は住民たちが集まり、沖縄県から因島に疎開中に犠牲になったとされる母親と子どもの家族6人を追悼する。

 青木さんたちは07年に一度、主に造船所で犠牲になった人の慰霊祭をした。その後、因島空襲に遭った女性の体験記を入手。女性の近所の民家で疎開中の家族6人が亡くなったことが書かれていた。あらためて慰霊したいと思い調べたが、家族の名前などは確認できていないという。

 因島に工場がある日立造船の社史によると、空襲は1945年の3月19日と7月28日の2回あった。ただ、被災については「工場の施設も損害を受けたが、ほとんど操業に影響はなかった」との記述にとどまる。

 青木さんは「犠牲者の正確な人数などの記録は残っていないが、合わせて200人近くが亡くなったのではないか。追悼行事を通して記憶を呼び起こしてもらい、事実を明らかにしていきたい」と話している。(鈴木大介)

(2014年7月26日朝刊掲載)

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