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ヒロシマ取材「声届ける」 米の中高生向けニュース制作会社

 米国で中高生向けのニュース番組を制作、全米8千校に配信しているチャンネルワンニュース社の記者2人が27日、広島市を訪れ、原爆被害の実態を取材した。28日まで滞在し、核兵器をテーマにした特集を来年1月から配信するという。

 マギー・ルーリーさん(26)とキース・コシンスキーさん(25)の2人。この日は原爆資料館(中区)を取材した後、東区の被爆者大屋美代子さん(74)を訪ね、大屋さんと、孫で広島女学院高1年山下未来さん(15)をインタビューした。

 大屋さんは5歳の時、爆心地から3キロの東雲町(現南区)で被爆した体験を語り、「若い人に戦争の恐ろしさを知ってほしい」と訴えた。中国新聞のジュニアライターを務める山下さんは「どの国も核兵器を持つべきでない。被爆者の生の声に耳を傾けてほしい」と強調した。

 同社は米3大ネットワークのCBSにも番組を提供、ネット配信もしている。核開発の歴史や核軍縮の現状を検証する企画の中で今回の取材を生かすという。ルーリーさんは「米国でこそ被害の実態がもっと知られるべきだ。被爆者の貴重な声を届けたい」と話した。28日は中区の広島女学院高で平和学習に取り組む生徒にインタビューする。(田中美千子)

(2014年7月28日朝刊掲載)

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