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広島一中の犠牲者悼む 強い怒りと涙を禁じ得ない 原爆死没者慰霊祭に400人

 広島市中区の国泰寺高で27日、前身の旧制広島一中の原爆死没者慰霊祭が営まれた。遺族や在校生たち計約400人が参列。犠牲となった生徒353人と教職員16人の冥福を祈った。

 一中生は1年生を中心に、建物疎開の作業現場や校内で被爆死した。同窓会の福間駿吉副会長(82)はあいさつで「生徒の希望と先生の温かいまなざしが一瞬にして奪われ、今も強い怒りと涙を禁じ得ない」と述べた。

 在校生を代表し、2年中山美波さん(17)が「原爆を語り継ぎ、平和の願いを世界に伝えていく」と平和への誓いを新たにした。続いて参列者が「追憶之碑」に花を手向けた。

 当時1年の弟博幸さんを亡くした長直邁(なおゆき)さん(86)=廿日市市=は「活発だった弟の姿を昨日のことのように思い出す。若い人は原爆の残虐さと遺族の悲しみをしっかりと学んでほしい」と話していた。(水川恭輔)

(2014年7月28日朝刊掲載)

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