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平和の祈り 球場満たす マツダスタジアムでピースナイター

 平和と核兵器廃絶の願いを球場全体で共有するイベント「ピースナイター2014」が30日、広島市南区のマツダスタジアムであった。広島東洋カープの選手と、約2万7千人の観客が参加。チームの赤と、平和を象徴する緑でスタンドを染めた。ナインは袖に特別なワッペンを付けてプレーした。

 中日戦の五回終了時、観客が一斉に中国新聞の別刷り特集を広げた。原爆ドームと球場を一つの円に取り込んだデザインで、緑と赤の2色。緑に染まった客席に、赤が横一線で現れた。地面から25メートルの位置。原爆ドームと同じ高さで、核廃絶の道筋を表現した。併せて、外野の芝生を子どもたち約60人が駆け回り、球場を沸かせた。

 始球式をしたのは、カープの元選手で野球解説者の山本一義さん(76)。父親が広島の被爆者で、山本さんは郊外に疎開中だった。被爆69年の原爆の日が迫る。山本さんは「原爆で亡くなった人の冥福を祈る気持ちと、復興を支えた人への感謝をボールに込めて投げた」と話した。

 カープの選手と審判は、中国新聞の別刷り特集と同じデザインのワッペンを袖に付けた。ピースナイターは、生協ひろしま、カープ球団、広島平和文化センター、広島電鉄、中国新聞社、中国放送の主催。2008年から8月6日か、それに近いホームゲームで続けている。(新谷枝里子)

(2014年7月31日朝刊掲載)

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