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旧日銀で折り鶴展示再開 広島市 旧市民球場から移転

■記者 金崎由美

 広島市は25日、年内に解体する旧市民球場(中区)に代わり、旧日本銀行広島支店(同)で折り鶴の展示を再開した。市は大規模な展示・保存施設の整備を検討しているが、市議会には異論が根強く、市は当面、旧日銀を活用する方針。

 旧日銀では今回、2009年度に寄せられた1200万羽分を2、3階部分に展示した。国内外の学校から届いた5千束を校名の五十音順につるし、あとは山積みする。今年8月6日の平和記念式典に参列した潘基文(バンキムン)国連事務総長が寄せた千羽鶴も置く。

 平和記念公園(中区)の原爆の子の像には毎年、世界中から10トン以上の折り鶴が寄せられている。市は2002年度から折り鶴を焼却せず、倉庫などで保管。一部は旧日銀に展示コーナーを設けていた。マツダスタジアム(南区)がオープンした後の2009年5月からは場所を旧球場内へ移転し、閉鎖する8月末まで公開していた。

 折り鶴の長期保存、展示に向けては、市が本年度予算案に「折り鶴ミュージアム」の検討費を計上し、施設整備を検討中。しかし、市議会には「必要性に乏しい」との意見が少なくなく、事業化されるかどうかは流動的な情勢である。

(2010年10月26日朝刊掲載)

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