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福島の避難者 山里においで 広島県安芸太田 空き家貸し出し開始 

 安芸太田町の住民グループが、福島第1原発事故で避難生活などを強いられている福島県の住民を町内に招き、保養してもらう取り組みを始めた。山里で過ごして心身を休めてもらおうと、今夏は6家族に空き家を貸し出した。来夏以降も続ける考えで、活動費の寄付を募っている。(畑山尚史)

 同町の主婦ら女性10人でつくる安芸太田保養支援グループが、メンバーの持つ空き家を活用して受け入れた。同町で定住促進に取り組むNPO法人上殿未来会議も協力し、田舎暮らしを体験できる古民家を貸し出した。

 福島県内で募り、今夏は7月20日から8月14日までに計6家族がそれぞれ5~7日間過ごした。同グループなどは、保養家族が滞在中に食べるコメや野菜を提供し、昼食会を開いてもてなした。母、娘2人と5日間滞在した同県川俣町の三浦幸さん(35)は「今は多くの人が暮らす集合住宅に避難し、気を使う毎日。娘もここに来て、農村地帯にある自宅のようにのびのびとしている」と喜んでいた。

 空き家の利用料は1泊千円。交通費の負担を軽減するため、1家族につき大人は4万円を上限に1人分、子どもは中学生以上3万円、小学生2万円までの人数分を同グループが支援。6家族に計約75万円を援助し、募金などで賄った。

 メンバーの大江厚子さん(58)は「心の負担を軽くする手助けをしたい。私たちが原発について考えるきっかけにもなる」と話す。同グループは来夏の受け入れに向け、募金への協力を呼び掛けている。大江さんTel0826(28)2629。

(2014年8月20日朝刊掲載)

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