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学長、広島市長に保存要望 被爆建物の広島大旧理学部1号館

 広島市が中区東千田町の広島大本部跡地に所有する被爆建物の旧理学部1号館について、広島大は19日、産学官の連携拠点などとして建物を保存、活用するよう松井一実市長に要望した。

 浅原利正学長たち3人が市役所を訪問。「社会人教育機能も備えた産・学・官の連携組織の活動拠点」とした要望書を松井市長に手渡し、「周辺施設と一体となり、『知の拠点』にふさわしい活用を」と訴えた。

 市は6月、1号館が震度6強の地震で倒壊する危険性が高い、との調査結果を公表。全部や一部保存、モニュメントなどの「象徴保存」を検討している。要望書では保存方法に関し、旧正門から「森戸道路」を経て1号館正面を望む、「象徴的な景観」を残すよう求めるにとどめた。

 面会後、浅原学長は記者団に対し、活用策が決まれば、卒業生たちから寄付を募るなど資金面で協力する考えを示した。松井市長は「相乗効果をどう生み出すか。経済界や地域の大学とも連携して検討したい」と述べた。(川手寿志)

(2014年8月20日朝刊掲載)

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