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初めて語る原爆の惨禍 大柿中で元教諭・大石さん「一日一日大切に」

 江田島市大柿町の元小学校教諭大石君枝さん(81)が27日、同町の大柿中で初めて被爆体験を話した。「自分をそして、一日一日を大切に生きる気持ちを持ってほしい」と約100人の全校生徒に語りかけた。

 大石さんは当時、広島市南区の比治山高等女学校(現比治山女子高)1年。爆心地から約3キロの学校にいて助かったが、研屋町(現中区紙屋町)の自宅にいた父母と姉2人を失った。焼け跡に父の金歯だけが残っていたという。原爆症は他人にうつるという誤ったうわさが飛び交った。周囲に冷たくされた日々も振り返った。

 大柿中から要望を受け、あの日とその後を詳しく話す気になった。大石さんは「毎日、同じ場所で生活できるのは素晴らしいこと。没頭できる何かを見つけ、充実した人生を送って」と呼び掛けた。

 3年児玉一葉さん(14)は「精いっぱい生きてほしいというメッセージだと感じた」と話していた。(貞末恭之)

(2014年8月28日朝刊掲載)

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