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ベント設備の設置開始 島根2号機 完成ずれ込みへ

 中国電力は28日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)2号機に、事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるため放射性物質を薄めて蒸気を排出するフィルター付き排気(ベント)設備の設置を始めた。ガス状の放射性ヨウ素を取り除くフィルターの設計が遅れ、完成は当初の9月末からずれ込むことになった。

 原発30キロ圏の島根、鳥取県と両県6市の担当者23人と報道陣に作業を公開した。フィルター装置はステンレス製の円筒形で高さ約8メートル、直径約2メートル。2号機に隣接する地下12メートルに4基を設置した。フィルターを通すことで、セシウムなど粒子状の放射性物質を99・9%除去できるという。ヨウ素フィルターを取り付けたら完成となる。

 中電は原子力規制委員会の指摘を受けて5月、ヨウ素フィルター設置を決めた。国内メーカーに発注したが、設計に時間がかかり、現段階では完成時期は見通せないという。中電島根原子力本部は「工期を精査しながら工事を進めたい」としている。(川井直哉)

(2014年8月29日朝刊掲載)

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