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岸田外相が「核兵器なき世界」寄稿 米外交誌に

 岸田文雄外相(広島1区)は28日、核兵器のない世界に向けた具体的な提言を米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(電子版)に寄稿した。多国間で取り組む重要性を強調し、12月にオーストリア・ウィーンで開かれる核兵器の非人道性に関する国際会議に核保有国の参加を呼び掛けた。

 タイトルは「広島・長崎から70年 核兵器のない世界に向けて」。冒頭で被爆70年と来年春に米ニューヨークである核拡散防止条約(NPT)再検討会議に触れ、「核兵器のない世界というビジョンを進めるための特別な機会を与えてくれる」とつづる。

 提言は、核非保有12カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)が4月に広島市で開いた外相会合でまとめた広島宣言などに沿った。多国間協力を前面に押し出し、中国などを含めた核軍縮交渉の強化や透明性の向上を訴えた。

 ウィーンの国際会議は、非人道性への世界的な関心が「包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効などの原動力となりうる」と指摘。核保有国を含む幅広い参加を呼び掛けた。

 フォーリン・アフェアーズは外交分野で知名度、発信力の高い専門誌。核軍縮に注目が集まる来年を見据え、岸田氏側が寄稿を申し出た。(藤村潤平)

(2014年8月29日朝刊掲載)

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