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平和の視点 英語で学んだ 広島市中区 ジュニアライターら参加

 平和教育地球キャンペーン中四国支部が、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで開いた平和教育ワークショップ「教室から平和が始まる」に、中国新聞ジュニアライター7人が参加し、一般の参加者と一緒に、さまざまな視点から平和や国際交流について考え、意見を交わした。

 ワークショップには、高校教諭や大学生らも含め計25人が出席。鳥取大のキップ・ケイツ教授(グローバル教育、外国語教育)を講師に、ケイツ教授が同大で実施している平和教育のための英語授業を、数人のグループに分かれて日本語も交えながら体験した。

 自分と戦争、平和との関係などを説明しながら自己紹介。8カ国語で表現した「平和」を、どの言語か当てるクイズの答えを相談し合ったり、戦争が起きる必要条件を考えたりした。ケイツ教授は「学校や教会などの社会環境、情報、リーダー、兵士、武器など戦争につながる『鎖』がある。どれかを切れば戦争は起きない、と知ってほしい」と話していた。

 その後、米国でつくられ、カナダで1985年に開かれた万国博覧会で上映されたビデオ「虹の戦争」を鑑賞。交流のない三つの国が、科学の進歩で互いの国に行けるようになったため侵略や争いが起きたが、人助けをして仲直りするストーリーで、作品への評価や印象に残った場面などを各グループで語り合った。

 神奈川県茅ケ崎市から訪れた文教大3年奥山佑里さん(21)は「常識にとらわれず、柔軟に考える必要性を感じた」。ジュニアライターの中学3年芳本菜子さん(15)は「戦争について、いろんな角度から考えられた。英会話の授業としても楽しかった」と喜んでいた。(二井理江)

(2014年9月1日朝刊掲載)

【ワークショップに参加したジュニアライターの感想】

◆戦争が始まる原因は、チェーンの様に繋がっている。どれかを断ち切れば起きない―。この言葉が焼き付いています。その為に、ジュニアライターを続けて戦争の愚かさを発信する等、私のできる事を行うと決意しました。(中1藤井志穂)

◆今までの自分にはなかった観点から、平和について考える事が出来ました。特に、”戦争に終わりはない”という言葉が印象深く残っています。条約などによって事実上終わりは告げられるけど、実際はその後さまざまな理由で苦しむ人はいます。広島に重ねると後遺症がこれに当てはまると思いました。また機会があれば参加したいと思いました。(中3芳本菜子)

◆今回のワークショップで感じたことは自分の視野の狭さです。今まで私は平和に対して漠然とこうだ、と決めつけていましたが、これからは「平和」だけではなく全てにおいて色々な視点から物事を見ていこうと思いました。(中3・山田千秋)

◆平和に関して興味を持たない人が多いのは大きな課題です。しかし、このワークショッ似プは、参加者が真剣に考えやすいようになっていて、僕も引き込まれました。特に、映画を使ったものが主題が分かりやすかったです。このような授業をもっとしてほしいです。(高1岩田壮)

◆戦争を引き起こす6つの原因を探ったり、'Rainbow War'というショートムービーをみたりしたので、様々な視点から'平和'を探ることができました。より広い視野で平和を考えれるようになりました。(高1山下未来)

◆学校の平和学習とは違い、広い視野で平和について学ぶことができて、楽しかったです。身近にあるものが、使い方次第で戦争要因になることがわかり、驚きました。今回学んだことを、これからの活動に活かします。(高1二井谷栞)

◆私は、さまざまな国の「平和」という言葉を覚えようと思いました。小さな事ですが、ケイツさんの話していた通り、そこから新たなコミュニケーションがとれるかもしれません。まずは自分にできることから始めていきたいです。(高1谷口信乃)

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