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谷本清平和賞 サーローさん 在外被爆者で初 英語で体験証言

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(広島市佐伯区、鶴衛理事長)は17日、第26回谷本清平和賞にカナダ・トロント市の被爆者、サーロー節子さん(82)=写真=を選んだと発表した。英語で体験証言を続け、原爆の悲惨さを世界に発信してきた功績を評価した。

 サーローさんは、広島市南区出身。13歳の時、学徒動員されていた二葉の里(現東区)の陸軍第二総軍司令部で被爆した。大学卒業後、留学先の米国で平和活動を開始。結婚を機にカナダへ移住してからも、国内外で精力的に証言活動を続けている。

 受賞決定に、サーローさんは「敬愛する反戦反核運動の先輩方と共に、(受賞者の)グループの一員となり、限りない喜びを感じます」とのコメントをセンターに寄せ、活動に一層力を尽くす意欲を示した。11月16日、中区である授賞式に出席する予定。

 同賞は被爆者支援に尽くした広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、1987年に創設された。世界平和の実現に向けて活動する個人や団体に贈っている。在外被爆者の受賞は初めて。鶴理事長は、サーローさんの功績を「英語で証言できる貴重な存在。半世紀にもわたり、海外を拠点に核兵器廃絶を訴えてきた活動は素晴らしい」と評した。(田中美千子)

(2014年9月18日朝刊掲載)

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