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核廃絶 初の国際デー 東京で関連イベント

 国連が初めて定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」の26日、日本原水協やピースボートが東京都内で関連イベントを開いた。日本被団協も声明を出し、核兵器廃絶への機運を盛り上げた。

 原水協は、国会内で記念集会を開き、約90人が参加した。広島で被爆した児玉三智子さん(76)=千葉県市川市=は「核兵器が使われれば、甚大な被害をもたらすことを被爆者は身をもって知っている」と訴えた。

 米国のビキニ水爆実験が60年前に行われたマーシャル諸島のアネット・ノート駐日次席代表は「私たちの土地も共同体も、米国の核の野望のために失われた」と強調。「それなのに、米国も世界も私たちを忘れようとしている」と非難した。

 非政府組織(NGO)ピースボートは、渋谷区の青山学院大でトークイベントを開催。川崎哲共同代表が、核兵器をめぐる世界情勢や核兵器禁止条約の交渉開始に向けた動きを解説した。

 日本被団協は「被爆者が生きているうちに廃絶を達成するように強く訴える」との声明を発表。核兵器のない世界の実現を「次世代に青い地球を引き継がなければならない私たちの責務だ」と強調した。

 核兵器廃絶の国際デーは、国連が昨年9月26日に核軍縮に関するハイレベル会合を初めて開いたことに由来する。12月の国連総会で、核兵器の非合法化に積極的な非同盟諸国(NAM)が主導して国際デーの創設を決議した。米国の核の傘に頼る日本は、採決を棄権した。(藤村潤平)

(2014年9月27日朝刊掲載)

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