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原爆報道 原点に触れる 故金井記者テーマ 広島で講演会

■記者 野田華奈子

 原爆報道の礎を築いたジャーナリスト金井利博氏(1914~74年)をテーマにした講演会が4日、広島市中区の原爆資料館東館であった。遺族から書簡や書籍などの寄贈を受けた広島大文書館の小池聖一館長が資料を分析し、被爆の原点にこだわり続けた姿勢を紹介した。

 小池館長は、中国新聞記者だった金井氏が国の責任で原爆被害の実態調査が必要だと訴え「原爆被災白書運動」を提唱したことなどを説明。書簡などの資料をスクリーンに映しながら、金井氏に影響を受けたジャーナリストたちの活躍にも触れ「人間的悲惨を基盤とし、核廃絶への道を探ろうとしていた」と指摘した。

 講演会は、市などが企画する連続講座「広島の平和思想を伝える」の2回目。約250人が聴講した。

(2010年12月5日朝刊掲載)

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