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三隅火力増設で原発疑問の声も 島根知事が見解

 中国電力が三隅火力発電所(浜田市)2号機の建設前倒しの検討に入ったのを受け、島根県の溝口善兵衛知事は9日の記者会見で、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の稼働問題を「どう扱うのかと関連する」と述べた。三隅2号機が完成すれば中電の発電能力が高まり、原発稼働を疑問視する声が出ることもあり得るとの考えを示した。

 溝口知事は県民の一部に稼働への疑問が出るとの見方について「そういう意見も当然ある」と指摘。増設前倒しの説明を中電から受けていないとした上で「県民にどう説明するかという問題がある。計画をよく聞かないといけない」とし、中電に詳しい説明を求める考えを示した。

 中電は電力の小売り自由化に伴って関西電力に電力を供給する計画の一環で、三隅2号機の増設前倒しを検討中。2027年度以降としていた完成を21~23年度に早め、出力を当初の40万キロワットから100万キロワットに引き上げたい考え。中電は「新設火力の供給先は他電力の管内を想定している。島根原発は将来的に中国地方の安定供給に欠かせない」としている。

(2014年10月10日朝刊掲載)

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