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「黒い雨」 国で初議論 指定地域を専門家検証

■記者 岡田浩平

 厚生労働省は16日、原爆投下直後に降った「黒い雨」の指定地域拡大に関する検討会の初会合を28日に省内で開くと発表した。広島市などの調査を基に科学者が検証する。黒い雨地域の拡大を国で議論するのは初めて。

 委員は8人で、広島赤十字・原爆病院の土肥博雄院長をはじめ、放射線医学や疫学、精神科などの専門家。国指定の健康診断特例区域より広い範囲で雨が降ったとした報告書などを検証し、原爆放射線による健康への影響などを判断する。

 開催ペースや結論を得る時期について厚労省健康局総務課は「未定」としている。

 黒い雨をめぐって、国は1945年の調査に基づく「大雨地域」を1976年に健康診断特例区域へ指定。現在、住民らに最大年4回の健康診断を無料で実施し、省令で定める11の病気にかかれば被爆者健康手帳を交付している。今年まとまった報告書などを基に広島県や市、住民団体が国へ拡大を要望していた。

(2010年12月17日朝刊掲載)

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