×

ニュース

被爆者健康相談始まる 南米17回目 ブラジルは38人参加

 南米5カ国を巡って現地の被爆者を診る広島県の医師団が20日、最初の訪問地であるブラジル・サンパウロ市の病院で健康相談をスタートした。同国に住む70~90歳代の38人が参加した。(サンパウロ発 馬場洋太)

 県が派遣した医師4人が、日系人医師とペアで診察。現地の病院で事前に検査した血液や心電図などの結果を示し、症状に合う適切な薬や専門医への受診を勧めた。広島市出身の山根一一(かずいち)さん(88)は「のどが悪く、食べ物が飲み込みにくいのが悩み。日本語で親身にアドバイスしてもらえた」と喜んだ。

 医師団に同行した県と広島市の職員は、医療費助成などの援護制度を説明。被爆者側からは、申請手続きの簡素化や、ブラジル国内で無料で医療を受けられる仕組みを求める声が寄せられた。

 団長を務める県医師会の豊田秀三副会長は「糖尿病や、がんを心配する人が多かった。住む地域によって違う医療水準も気になった」と話した。

 医師団は3班に分かれ、同国やアルゼンチン、パラグアイ、ペルー、ボリビアの計8都市を訪問。11月1日に帰国する。南米への医師派遣は17回目。

(2014年10月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ