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磯崎新さん・三分一博志さん、建築談議 広島市現代美術館

 建築家の磯崎新さん(83)=東京都=と三分一(さんぶいち)博志さん(46)=広島市中区=が22日、広島市現代美術館(南区)で対談した。同館で開催中の展覧会「戦後日本住宅伝説―挑発する家・内省する家」の関連企画で、約160人が耳を傾けた。

 三分一さんは、空気や水といった自然の「動く素材」を生かし、地形や歴史、文化に根付いた建築を進める自らの取り組みを紹介。原爆ドーム(中区)そばで進める「広島ピースタワー」(仮称)プロジェクトにも触れ、「その土地の動く素材と建築との関わりは、ほかにはまねできない魅力になる」と語った。

 同展に「新宿ホワイトハウス」(1957年)を出展する磯崎さんは「テクノロジーで自然を変形して住む空間をつくった時代。三分一さんの流れの矢印を全部逆にしたものだ」と会場を沸かせた。学生時代、古里大分から上京途中に降り立った広島で原爆資料館を見て感動し、丹下健三に師事したエピソードも披露。「ヒロシマの歴史的文化を広島の方々がキープし続けてほしい」と語った。

 同展は、戦後の50~70年代に手掛けられ、「伝説」ともなった著名な建築家による住宅作品16件を、コンセプトと共に模型や写真で紹介している。12月7日まで。(森田裕美)

(2014年10月23日朝刊掲載)

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