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毒ガス死没者に祈り 竹原・大久野島

 旧日本陸軍の毒ガス製造工場があった大久野島(竹原市忠海町)で23日、毒ガス障害死没者慰霊式があった。遺族たち約160人が参列。故人の冥福を祈るとともに、悲劇を繰り返さないと誓った。

 この1年間に亡くなった67人の名前を加えた3656人の死没者名簿を慰霊碑に奉納。参列者全員で黙とうし、1人ずつ献花台に進み出て花を手向けた=写真。

 周辺市町や元工員団体などでつくる大久野島毒ガス障害者対策連絡協議会の主催。協議会の神明正明副会長(82)=三原市=は「高齢化が進み、毎年会える人も減ってきているので寂しさが募る。悲劇を後世に伝えていかなければいけない」と決意を新たにしていた。

 旧陸軍は1929~45年に同島で毒ガスを製造していた。イペリットやルイサイトは、最も多い時期で年間約1200トンを生産していた。(山下悟史)

(2014年10月24日朝刊掲載)

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