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原爆資料館改装 例年以上の混雑 修学旅行・行楽シーズン 入館制限も 広島市中区

 修学旅行と秋の行楽のシーズンを迎え、広島市中区の原爆資料館が例年以上に混み合っている。全面リニューアルに伴って東館を閉館しており、展示スペースが狭くなっているため。入館制限する時もある。同館はホームページ(HP)に混雑情報を掲載し、人が少ない時間帯の来館を呼び掛けている。(菊本孟)

 23日は修学旅行だけでも約50校の子どもたちが訪れた。ピークの午後3時ごろは、入り口で入場を待つ列が約10メートルまで伸びた。展示スペースには子どもや外国人観光客がひしめき、被爆者の遺品や、写真に見入った。

 館内で立ち止まると迷惑になるため、奈良県大和郡山市の片桐西小6年約80人は見学後、屋外で感想を用紙につづった。大谷恵一校長(58)は「世界中の人が被爆や平和について学びに来るだけに、時間やスペースを取れる工夫を」と求めた。

 同館によると、2013年度の来館者は計約140万人。例年、5月の大型連休や原爆の日の前後に続き、10~11月の来館者が多い。ことしは9月に東館を閉館後、警備員を3人増やし、11人体制で誘導に当たっている。入り口すぐの階段が混雑した場合に10分ほど入館を待ってもらう対策も始め、すでに18回あるという。

 混雑は11月中旬まで続く見通し。増田典之副館長は「動線などの課題を改善しながら、被爆70年となる来年8月に備えたい」と話す。同館は16年春に東館の改修を終えた後、本館を閉じて工事を進め、18年春の全面オープンを目指している。

(2014年10月24日朝刊掲載)

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