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国連HPに「被爆前の広島」 制作の田辺さん提供 CG2作品を紹介

■記者 金崎由美

 国連は、ホームページ(HP)で原爆投下前の広島の爆心地周辺をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した二つの映像作品の上映を始めた。制作総指揮を執った広島市西区の映像制作会社社長田辺雅章さん(73)から提供を受けた。

 提供したうちの1作は、戦後に平和記念公園となった旧中島地区を描いた「『ヒロシマからの伝言』~原爆で失ったもの~」。田辺さんが5月、ニューヨークの国連本部で上映会を開いた際、DVDを国連軍縮部に寄贈した。本来は60分の作品を30分に編集した。

 もう1作は、田辺さんの自宅隣にあった旧広島県産業奨励館(現原爆ドーム)や周辺の被爆前の姿を再現した1時間作品「爆心地~ヒロシマの記録」。2007年に国連本部で上映し、寄贈した。

 国連軍縮部は「核兵器の恐ろしさを伝え、廃絶への認識を高めさせる作品」と評価。HPの軍縮教育コーナーでの掲載許可を田辺さんに要請し、16日に田辺さんが快諾した。同作品のネット上での一般公開は初めて。

 田辺さんは「世界、特に米国の人たちに見てもらい、原爆がいかに人命や地域の文化を奪い尽くすかを知ってほしい」と訴える。

国連HP;http://www.un.org/disarmament/education/Movies/

(2010年12月28日朝刊掲載)

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