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「サダコと千羽鶴」 著者エレノア・コアさん死去

 「サダコと千羽鶴」の著者エレノア・コアさんが、広島市の原爆資料館へ12日までに入った遺族からの連絡によると、米国ニュージャージー州で昨年11月22日死去した。88歳。しのぶ会を近く現地で開く。

 1922年カナダ中西部のサスカチュワン州生まれ。オタワ・ジャーナル紙の日本特派員として1949年、米子市郊外の農家に1年間住み込み広島を訪れる。1963年広島を再訪し、被爆から10年後に白血病のため12歳で死んだ佐々木禎子さんの生涯と、級友らが呼び掛け平和記念公園に建てられた「原爆の子の像」を知り、1977年に米国の出版社から「サダコと千羽鶴」を刊行。英語圏の小・中学校の副読本となり、現在までに十数の言語に翻訳されるなど、「サダコ」の名前と願いを世界的に広めた。米外交官の夫と訪れたロシアや南米でもサダコを紹介した。

(2011年1月13日朝刊掲載)

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