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原爆映画「ひろしま」世界へ DVD制作チームが発足

■記者 教蓮孝匡

 1953年の原爆映画「ひろしま」(関川秀雄監督)の外国語字幕版DVDを制作するため、映画関係者や被爆者が25日、プロジェクトチームを発足させ、広島市役所で記者会見した。第1弾として7月に英語版を作り、各国の元首や公的機関に送る。

 映画は長田新編「原爆の子」が原作。やけどを負って逃げまどう人々や被爆後の苦しみを克明に描いた。広島市出身の俳優月丘夢路さん、延べ約9万人の市民が出演した。

 プロジェクトチームの結成は、東京都の映画プロデューサー小林一平さん(64)が呼び掛け、県被団協の坪井直理事長や広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長たちが参加した。

 小林さんは祖父を原爆で亡くし、亡き父の大平さんは「ひろしま」の助監督を務めた。2008年に広島市内で上映会を開き、反響の大きさから外国語版の制作を決めた。

 当時のスタッフや出演した市民のインタビューも収録。広島出身の大学生たちが翻訳に協力する。小林さんは「世界中の人たちと核兵器廃絶への思いを共有したい」と訴えている。

(2011年1月26日朝刊掲載)

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